愛し*愛しの旦那サマ。

よりにもよって、なぜ今日急に?

五時半に待ち合わせとか、ゆっくりショッピングモールぶらぶらも出来ないじゃん!幸代的予定では、映画見たり、外で夕食も食べたりしたかったのに……!


「しかも、せっかくのゴールデンウィークに臣くんと離れ離れになるなんて……!」

うわーんっ……!


と、臣くんが座るソファーに塞ぎこみ、大袈裟に嘆いてみる私……


「別にお前の親父と会うんだからいいだろうが」

「でも、飲み屋に行くなんて……しかも、同伴付き……臣くん、絶対、オネーサマ方に気に入られちゃう……」


そのままの体制でブツブツすすり泣きしていると、


ぐいっと、

ひっぱり上げられて、抱きかかえるような状態で臣くんの膝に座らせられた私。


「お前は俺がそういう場所に行くのが嫌で喚いてるの?それとも、離れるのが嫌だから?」

「りょ……両方」

「本当に面倒臭いヤツだね、お前は」


臣くんの手がゆっくりと私の前髪をかきあげる。


「ごめんなさい……」

「俺としては、お前の親父に会って飲むだけ。だから心配するなって」


そう言いながら、私の髪の毛に指を絡ませる臣くん。


< 271 / 498 >

この作品をシェア

pagetop