愛し*愛しの旦那サマ。
「す、すみません……」
「一応、お前の携帯に連絡入れたけど、電源入ってなかった」
「充電切れ……です」
「そんなことだろうと思った」
「ご、ごめんなさい……」
うわー…
これは、かなりご機嫌ナナメ……?
「本当にごめんなさい……」
そんな臣くんに、ただただ平謝りの私。
「まぁ、俺も外に出ようかとも思ったけど、バルコニーから、ちょうど全力疾走してるお前らしき人物が見えたからやめた」
「……」
あの全力疾走まで見られたなんて……(オハズカシイ……)
「とりあえず、腹減ったんだけど」
「すぐ用意しますっ!」
「先にタバコ」
「は、はいっ」
コンビニの袋からタバコを慌てて取り出して臣くんに手渡す。
もぉ゛~
これも全てはFに捉まっちゃったせいだわっ!
何で今回も朝食前で臣くんに用事を頼まれている状況での強制連行なわけぇ?
心の中でFへの怒りをブツブツつぶやきながら、キッチンへ向かおうとすると―…
「おい」
という声と同時に、臣くんから手首を掴まれる。
そして、
「あまり心配かけさせるなよ」
という、怒っているというよりは、安心したような口調と表情の臣くん。