愛し*愛しの旦那サマ。
そして、
「臣くん……休日に長時間離れ離れになるなんて寂しいでしょ?しばしのお別れの前に熱いチューと抱擁だったらどっちが良い?」
そのままの表情で、おきまりの言葉を言ってくる。
「さっさと美容室に行って別人にしてもらえば?」
まぁ、またこんな言葉を返してしまう自分も自分だと解ってはいる。
だけど、仮に自分のそんな言葉を省みたとしても、
「了解デス。臣くんに気付かれる程度に可愛くしてもらってくるねっ」
俺のそっけない言葉にも満足そうに顔を緩ませる彼女がいるわけで……
「じゃあ、もう出るね~」
「ああ」
「あ、一応、二次会まで行く予定にしていますので」
「飲んだくれて周りに迷惑かけるなよ」
「胆に銘じておきます……」
そんな彼女を見て、
「……幸代」
「はい?」
何時からか、思わず抱きしめたくなる衝動に、度々駆られてしまう。
そして、結局、
「……っ」
珍しく甘いフレグランスの香りを漂わせる彼女の身体を自分の腕の中に引き寄せる。