愛し*愛しの旦那サマ。
「塚本、俺はもう帰るぞ」
店員から渡されたおしぼりでデニムを拭きながら、俺の側に寄ってきた塚本に告げる。
「さすがに今の臣を引き止める勇気は俺にはないけどさぁ、その状態で帰れるの?」
「さっさとタクシーつかまえて帰る」
「今、忘年会シーズンでなかなかつかまんないかもよ~?着替え用意してもらって、とりあえずどっかで着替えたら?」
そんな塚本の言葉を聞きながら、着替えをするならついでに洗い流したい……と、思う。
「……近くに銭湯あったっけ?」
「ん~、銭湯はわかんなけど、ラブホなら至近距離にあるよ~」
「……」
そんな会話を塚本としていると、
「どうしよう……幸代寝ちゃったんだけど……」
泥酔女を膝枕しながら、友達らしき女が塚本に声をかけてきた。
「私、このコ連れて先に帰るわ」
「臣にも言ったけど、このシーズン、タクシー拾えないかもよ~」
「でも、このままにしておくわけにもいかないでしょ……」
「さすが理沙子サン、面倒見がいいね~」
「そんな感心はいいから、塚本、アンタ今から必死にタクシーつかまえてきてよ」
「え~、この寒空の下、勘弁してくれよ~他の案を考えようよ~」
理沙子という女とそんな会話をしながら、塚本は良策を模索するようなポーズをとる。