愛し*愛しの旦那サマ。

それから、店を出る前にとりあえず一度。泥酔女の目を覚まさせて、歩かせてはみたものの千鳥足そのもの。

理沙子という女が適当に着替えを探してくるということで、


「おい、しっかり歩けよ」

「ふわぁい~…」


寝ているのか起きているのか微妙な泥酔女の身体を仕方なく支えてやりながら、何とか歩かせてホテルへと入る。

が、それからまた面倒な展開があり、迷惑を被られた俺が、この泥酔女が目を覚ますまで、この場所に留まらないといけないという―…どこまでもツイていない、度々重なる面倒な事態。

何だかここまで来ると、疲れや苛立ちを感じる気力さえなくなる……

着替えが手に入り、何よりも先にシャワーと着替えを済ませた後、キングサイズのベッドの端に溜め息と共に腰を下ろす。

すぐ側には、ここがそういう場所とも思わずに暢気にベッドに横たわって、静かな寝息を立てる泥酔女の姿―…


< 420 / 498 >

この作品をシェア

pagetop