愛し*愛しの旦那サマ。
そして、
「えっ、主任、また別れちゃったんですか?」
「はぁ……そうなんですね~…」
「でも、まだアラサーだから全然いけま……あ、スミマセン……」
一応、俺を気にしながら、携帯を片手にそんな会話を続ける彼女。
主任ってことは、会社の上司からだろう。まぁ、内容は仕事とは無縁そうだが……
何となく長話になりそうな予感がし、
「―…じゃあ、部屋まで気を付けて帰れよ」
そう言って、足を帰路へと向けようとする。
すると、
「あっ、臣くん……!」
そんな俺を慌てて呼び止める彼女。
俺は帰路に向こうとした身体を止める。
「電話、続けていいよ。込み入った話みたいだし」
「でも……」
「いいって。それより、さっさと部屋に戻れよ」
「う、うん……」
携帯の通話口を手で押さえ、名残惜しげな表情をする彼女。
そんな彼女に、
「じゃあ、また」
と、告げ、俺はマンション前を後にする。