愛し*愛しの旦那サマ。

そして、嬉しそうに歩き出す彼女に、


「そういう事だよ」


と、言葉をかけた。

ピタリ、と彼女の足が止まる。


「……え?」


直ぐに俺の顔を見た彼女。それから―…


「彼女って事だよ」

「……」

「ダメなの?」

「えっ……いや……ダメとかじゃなくて……その……」

「何?」

「その、それって……も、もしかして、もう面倒だから、お前彼女にしとく、的な展開です……か?」


さっきまでの表情とは一転、動揺した様子で俺を見る。


“面倒だから”


まぁ、その言葉は俺に当てはまるんだけれども……


「そういう関係でいい?」


そう尋ねると今度は、


「う、うんうんうん……」

「……」


何度も頷いた後、放心状態になった彼女。


「おい」


と、声を掛けると、


「……」


なぜか無言で彼女は歩き出す。


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