愛し*愛しの旦那サマ。
「おい、って」
「……」
ふらふらとそのまま歩き続ける彼女に、
「幸代」
と、呼ぶと、
「……」
ようやく停止する。
「何で、いきなり無言で歩き出すわけ?」
「いや……だって……」
「だって?」
「だって凄く嬉しすぎて……とにかく、イキナリの幸せすぎる展開に動揺しているというか……何だかこれ以上臣くんの側にいたら嬉しすぎてどうにかなりそうで……」
俺に背を向けたまま、声を微かに震わせ、心境を口にしてくれる彼女。
何となく彼女の今の表情が想像できる。
そして、俺はそんな彼女の隣りまで足を進め、
「ボンゴレ、作ってくれるんじゃなかったの?」
と、案の定、困惑の表情を浮かべている彼女に言った。