愛し*愛しの旦那サマ。

彼女が作ったボンゴレをソファー前のテーブルに置く。見た目は上出来で、


「食べてもいいの?」

「うん、どうぞ~」


くるり、とパスタをフォークに巻きつけ、口に入れると、見た目以上の美味さに正直、驚いた。

やや緊張気味に俺を見る彼女に、


「うまいよ」


そう、伝えると、


「良かったぁ、嬉しい」


ホッとした表情に変わる。


「結構、料理するの?」

「うん。包丁握ってると結構ストレス解消になるんだよね~…あ、勿論、危ない意味じゃなくてね!」

「……」

「じゃあ、私もいただきま~す」


それからは、彼女の口調も普段通りになっていて、


「あ~、でも、今日ホント定時で良かったぁ。そのおかげで臣くんに料理作れたし」

「でも、どうせ臣くんに手料理を披露するんだったら、もう何品か作ってあげたかったなぁ~」


そんなことを口にしながら、終始にこやかにボンゴレを食べていた。


何だろうな。

不思議と彼女とこんな風に食事をする時間が落ち着く。


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