愛し*愛しの旦那サマ。
そして食事を終えると、
「片付けもしておくね」
「いいよ。後でする」
「大丈夫!二人分の洗い物くらい、ぱーっと出来るからっ」
「ふーん……じゃあ、よろしく」
彼女がそう言うので、その間、俺は一服しようと、煙草を手に取りベランダへと出た。
手すりにもたれかかり煙草を咥え、ジッポで火をつける―…
ゆっくりと煙草を一本吸い、部屋へ戻ろうかと思った瞬間、
「臣くん、」
ベランダの戸が開き、彼女がひょこりと顔を出す。
「洗い物、終わったよ~」
「ああ、ありがと」
「臣くんの家のキッチン、使いやすいね~うちなんて1Kだから、狭くて狭くて……あ。結構、臣くんの部屋見晴らしいいねぇ」
部屋へ戻ろうかと思ったが、彼女がそのままベランダに出てきた為、何となく二人並んで、この部屋から見える夜の街を眺める。
ふわり、と、夜の風がセミロングの髪をなびかせていく。
そんな姿を見ていると、ふいに、こっちを向いた彼女と視線が合った。