不謹慎ラブソング
少しだけ、休む時間を貰った。

中等部の頃からの友人たちと遊ぶ機会があり、その日は私も普段の喪服染みた服ではなく、派手な色の服を選んで遊びに出かけた。

手には、買ったばかりの、青空のイラストがプリントされた傘を持っていた。

カラオケで三時間歌い、ゲームセンターでプリクラを撮り、喫茶店へ行って語り合い、時間が赦すまでショッピング。
 
そんな理想的なスケジュールを提案したのは、私の知人の中では一番明るい日野さんだった。
 
けれど、待ち合わせから三十分経っても、誰一人待ち合わせ場所へと来ていない。

私は少しだけ不愉快な気分になってしまった。電話をかけても、全員が留守番電話に接続された。
 
日野さんの遅刻はいつものこととは言え、他の人たちも遅れてくることに苛ついてしまった。
 
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