たとえ、これが恋だとしても~あなたとSweet sweets~
今の亜紀は完全に感情的になっているのだろう。普段であれば口にしないような言葉がポンポンと飛び出してくる。そんな彼女の姿に、驚いたような顔をする慎一。
もっとも、今の彼女に何か言っても、まともな返事があるとも思っていない。こうなったら、好きなだけ言わせておいた方がスッキリする。そう判断した彼は、亜紀の興奮がおさまるのを待つことにしたようだった。
そして、その場にいる惟もどこか複雑な表情になっている。なにしろ、彼は亜紀から婚約を拒否されたも同然だからだ。もっとも、そんな状態になってはいても彼が声を荒げる様子はない。彼もまた、亜紀の感情が落ちつくのを待っているようにみえる。
男二人のそんな気配を察したのだろう。そして、子供のように感情的になって叫んだことに対する恥ずかしさも感じ始めたのは間違いない。だからだろう。亜紀はそれまで以上に顔を赤くすると、体を丸めるように小さくなっている。そんな彼女に惟が柔らかい声をかけていた。
「亜紀ちゃんにすれば、この婚約って不本意なのかな?」
「不本意っていうより、驚いてます。それと、惟さんに迷惑だなって」
「どうして? 僕はそんなこと思ってないよ」
惟の言葉に、亜紀はキョトンとした顔をすることしかできない。そんな彼女に、彼は極上としかいいようのない笑顔で応えている。
「亜紀ちゃんにすれば、『婚約』っていう言葉で拒否感が出ているのは分かるよ。だから、そういう恋愛感情が絡むことではなく、お互いをパートナーとする契約だと思ったら?」
「それでも……無理です……」
もっとも、今の彼女に何か言っても、まともな返事があるとも思っていない。こうなったら、好きなだけ言わせておいた方がスッキリする。そう判断した彼は、亜紀の興奮がおさまるのを待つことにしたようだった。
そして、その場にいる惟もどこか複雑な表情になっている。なにしろ、彼は亜紀から婚約を拒否されたも同然だからだ。もっとも、そんな状態になってはいても彼が声を荒げる様子はない。彼もまた、亜紀の感情が落ちつくのを待っているようにみえる。
男二人のそんな気配を察したのだろう。そして、子供のように感情的になって叫んだことに対する恥ずかしさも感じ始めたのは間違いない。だからだろう。亜紀はそれまで以上に顔を赤くすると、体を丸めるように小さくなっている。そんな彼女に惟が柔らかい声をかけていた。
「亜紀ちゃんにすれば、この婚約って不本意なのかな?」
「不本意っていうより、驚いてます。それと、惟さんに迷惑だなって」
「どうして? 僕はそんなこと思ってないよ」
惟の言葉に、亜紀はキョトンとした顔をすることしかできない。そんな彼女に、彼は極上としかいいようのない笑顔で応えている。
「亜紀ちゃんにすれば、『婚約』っていう言葉で拒否感が出ているのは分かるよ。だから、そういう恋愛感情が絡むことではなく、お互いをパートナーとする契約だと思ったら?」
「それでも……無理です……」