最後の夏休み Last Summer Days.
窓を流れる真夏の景色。
トンネルに入るとガラスに映る金髪のアタシ。
長袖のシャツから見えている、左手首の包帯。
きつすぎるアイメイクに囲まれた瞳は輝きすら失ってしまっている。
「………カニクリ?」
ありえない早さで脈打つ心臓の音が聞こえそうだった。
「大丈夫? 顔色悪いよ」
隣に立つマユカがアタシを見ていた。
「大丈夫だよ。ちょっと考え事してただけ………」
そう言って見た窓には、黒髪のアタシが映っていた。
これが、今のアタシ。
真夏に長袖も着ていなければ、包帯もない。
トンネルに入るとガラスに映る金髪のアタシ。
長袖のシャツから見えている、左手首の包帯。
きつすぎるアイメイクに囲まれた瞳は輝きすら失ってしまっている。
「………カニクリ?」
ありえない早さで脈打つ心臓の音が聞こえそうだった。
「大丈夫? 顔色悪いよ」
隣に立つマユカがアタシを見ていた。
「大丈夫だよ。ちょっと考え事してただけ………」
そう言って見た窓には、黒髪のアタシが映っていた。
これが、今のアタシ。
真夏に長袖も着ていなければ、包帯もない。