御劔 光の風3
長の話が続いている間、マチェリラは沈黙を貫き静かに<永>の中で終わりを待っていた。
震える口元に力を入れて拳を握った両手はただただ耐え忍ぶことと戦っている。
マチェリラはその世界を、その事実を痛いほどに知り尽くしているのだ。
「中心世界の名はオフカルス。最後に送り出した神官は時生という名の女性だった。」
「とき、お…それって言い伝えに出てきた名前と同じでは。」
「同一人物だ。」
自分の中の考えが当たっていたと知ると貴未は改めて記憶の中の言い伝えを懸命に呼び起こした。
確か言い伝えによれば不思議な力をもつ時生という女性は国を創るという大業を何度もこなし、また戦いなどで悲しみ溢れる国あらばその力を持ってよき方向へと導く、神のような人物だったという。
人々から愛され敬われていたが、それに腹を立てた別の神にかかり命を落としてしまった。
しかし彼女は最後の力を使って自らの力を具象化し残る人々に未来を託したという話だった筈だ。
「カリオとは彼女の力を具象化した場所であり、何故この場所なのかというとそれは彼女がカリオの出であるということが理由になっている。確かにこの歯車たちや時計は時生が具象化したものだが、それ以前からカリオは既に存在していた。」
震える口元に力を入れて拳を握った両手はただただ耐え忍ぶことと戦っている。
マチェリラはその世界を、その事実を痛いほどに知り尽くしているのだ。
「中心世界の名はオフカルス。最後に送り出した神官は時生という名の女性だった。」
「とき、お…それって言い伝えに出てきた名前と同じでは。」
「同一人物だ。」
自分の中の考えが当たっていたと知ると貴未は改めて記憶の中の言い伝えを懸命に呼び起こした。
確か言い伝えによれば不思議な力をもつ時生という女性は国を創るという大業を何度もこなし、また戦いなどで悲しみ溢れる国あらばその力を持ってよき方向へと導く、神のような人物だったという。
人々から愛され敬われていたが、それに腹を立てた別の神にかかり命を落としてしまった。
しかし彼女は最後の力を使って自らの力を具象化し残る人々に未来を託したという話だった筈だ。
「カリオとは彼女の力を具象化した場所であり、何故この場所なのかというとそれは彼女がカリオの出であるということが理由になっている。確かにこの歯車たちや時計は時生が具象化したものだが、それ以前からカリオは既に存在していた。」