御劔 光の風3
その筈だったのに、いざ来てみても何の変化もないことは残念だったのだ。
同じような力を持つ千羅と瑛琳、二人と話がしたくても立場上彼らは表には現れない。
リュナは体調不良で自室にこもりきり、残るはカルサのみなのだけれど多忙につき取りつくしまもない。
いや、そもそもカルサは一国の王なのだ。
日向側から気安く話しかけることなんて出来る訳がなかったし、勿論カルサの周りもそれを許さなかっただろう。
カルサ自身も国王だからか、多忙以外にも日向には近寄ろうともしない伏があった。
何度拒絶されているのかもしれないと気を落としたことか数え切れない程だ。
封印から目醒めた時に少しだけ交わした会話は短いお礼の言葉だった。おそらく一分も満たない時間ように思う。
聞きたいことや聞いてほしいことがあった分物足りなさを感じても日向は一度その場を引いた。
忙しいのだろうしまた次の機会にと自分の気持ちを押し殺したがあれ以来、カルサとは何の言葉もかわしていない。
住む場所を城の中に与えてくれ、城内を自由に行き来する事が出来るのは多分凄い事なんだろう。
それは大いに感謝しているけど切なかった。
時期が悪いのかもしれない、それでも唯一雷神と風神を目醒めさせる事が出来た自分に対して興味を持つ人はいなかった。
何か掴めると期待していたのにあまりの疎外感に何度心が沈んだだろう。
何も言わず国から去ろうかとも思ったが、それでも留まったのは貴未が話しかけてくれたから。
時を待てと、そう教えてくれたからだ。
「貴未、ごめんね。火の力の事黙っていて。」
不意にいつかの記憶を思い出してつい口にしてしまった。
突然の事に貴未も驚きを隠せないようで、頭で理解するまで日向の顔を見たまま瞬きを重ねる。
そして片眉を上げて不思議そうに疑問符を打ち出した。
同じような力を持つ千羅と瑛琳、二人と話がしたくても立場上彼らは表には現れない。
リュナは体調不良で自室にこもりきり、残るはカルサのみなのだけれど多忙につき取りつくしまもない。
いや、そもそもカルサは一国の王なのだ。
日向側から気安く話しかけることなんて出来る訳がなかったし、勿論カルサの周りもそれを許さなかっただろう。
カルサ自身も国王だからか、多忙以外にも日向には近寄ろうともしない伏があった。
何度拒絶されているのかもしれないと気を落としたことか数え切れない程だ。
封印から目醒めた時に少しだけ交わした会話は短いお礼の言葉だった。おそらく一分も満たない時間ように思う。
聞きたいことや聞いてほしいことがあった分物足りなさを感じても日向は一度その場を引いた。
忙しいのだろうしまた次の機会にと自分の気持ちを押し殺したがあれ以来、カルサとは何の言葉もかわしていない。
住む場所を城の中に与えてくれ、城内を自由に行き来する事が出来るのは多分凄い事なんだろう。
それは大いに感謝しているけど切なかった。
時期が悪いのかもしれない、それでも唯一雷神と風神を目醒めさせる事が出来た自分に対して興味を持つ人はいなかった。
何か掴めると期待していたのにあまりの疎外感に何度心が沈んだだろう。
何も言わず国から去ろうかとも思ったが、それでも留まったのは貴未が話しかけてくれたから。
時を待てと、そう教えてくれたからだ。
「貴未、ごめんね。火の力の事黙っていて。」
不意にいつかの記憶を思い出してつい口にしてしまった。
突然の事に貴未も驚きを隠せないようで、頭で理解するまで日向の顔を見たまま瞬きを重ねる。
そして片眉を上げて不思議そうに疑問符を打ち出した。