やくたたずの恋

     * * *


 悦子は『Office Camellia』の事務室で、ソファセットにノートパソコンを持ち出し、経理の仕事をこなしていた。
 パソコンの画面に表示されている時計は、18時を過ぎている。沢田から言われていた、雛子の「レンタル時間」は17時までだったはずだ。延長は構わないが、それにしても遅すぎるような気がする。
「お嬢ちゃん、大丈夫かしらね?」
 パソコン画面を見ながら、背後のデスクにいる恭平に問いかける。
「さぁな」
 恭平のあっさりとした返事に、悦子は振り返る。椅子に腰掛けた恭平は、グラビア雑誌を眺めていた。ゆっくりとページをめくりながら、所々に付箋を貼っている。おそらく、気に入った女(しかも巨乳)の写真をチェックしているのだろう。
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