やくたたずの恋
「で、では……ドキドキする以外に、どんな感じの愛情があるんですか?」
 未熟な質問だと、雛子自身も思っていた。これでは本当に「ヒヨコ」だ。恋や愛について教えて、とピヨピヨ鳴き立てている、お子ちゃまでしかない。
 だけど星野は、雛子の問いを真っ直ぐな目で受け入れていた。恋愛初心者のヒヨコを、しっかりとした雌鳥にするがごとく、静かに語り出した。
「花火のように、一瞬で激しく燃え尽きる愛もあれば、じんわりと静かに燃え続ける愛もある。愛する人のために身を尽くす愛もあるし、相手の全てを奪おうとする愛もあるんだよ」
「じゃあ、その中で、どれが正しい愛なんですか?」 
「どれが良いとか、悪いかなんてないよ。全てが愛なんだ」
 愛、という言葉に力を込めて呟き、星野は雛子を見た。
「好きな人ができれば、君にも分かるはずだよ」
< 280 / 464 >

この作品をシェア

pagetop