やくたたずの恋
「おい。どうした? 具合でも悪いのか?」
 恭平から出汁を取ったスープが出来上がりそうな頃、恭平は雛子の視線に気づき、声を掛ける。
 雛子はその声が聞こえず、恭平をひたすら見つめていた。スープに謎の美女軍団が飛び込み、美味しそうな巨乳スープが仕上がりつつあった。
「……もしかして、熱でもあるんじゃねぇの?」
 席を立って雛子の下へとやって来ると、恭平は彼女の額に掌をぴたりと張りつけた。その手の熱さに、雛子は、びく、と反応する。
「だ、大丈夫です! 具合が悪いとか、そういうんじゃありませんから!」
「ならいいけどな。接客の仕事してるんだから、体調には気をつけろよ。風邪だって、こじらせたら大変なんだからな。ただでさえも、お前は貧乳をこじらせてるんだしな!」
 ……やっぱり、無理だ。こんなおっさんを好きになるなんて。
 雛子は腹立ちの気持ちのままに、熱々の巨乳スープを恭平に浴びせたくなる。
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