やくたたずの恋
スミレにたんぽぽ、そして菜の花。撫子がこちらへと手を振り、マーガレットが歌う。それに合わせて、ヒヤシンスと水仙がラッパを鳴らし、スズランの鈴の音も響かせていた。
花々に導かれて、木々に囲まれた公園へと辿り着き、二人は息を切らして立ち止まる。もう限界。そう言いたげに、雛子は苦しそうに息を整えようとしていた。
恭平も息を荒らげながら、繋いでいた手を離す。そして、ははは、と軽い笑い声を上げた。
「政財界の大物のメンツが集まる前で、こんなことしでかしたら……お前はもう、どこにも嫁にいけねぇなぁ!」
「だ……誰のせいだと……思ってるんですか……」
前屈みになりながら、雛子は恭平を睨みつける。帯のせいで大きく息を吸えず、小さな呼吸を繰り返す雛子に、恭平は「俺のせいだろ?」と笑う。
「だから、俺が責任を取ってやるよ」
「……責任?」
頭に酸素が回らないせいか、その意味がいまいち分からない。だけど、判断はついていた。彼は今、重要なことを言っている、と。
「誰も嫁に貰ってくれないなら、貸金屋の嫁にでもなるか?」
切れる息の合間から、恭平が言う。
……そ、それって……もしかして……。
雛子は息苦しさも忘れ、街灯に照らされた彼の顔を見上げた。
花々に導かれて、木々に囲まれた公園へと辿り着き、二人は息を切らして立ち止まる。もう限界。そう言いたげに、雛子は苦しそうに息を整えようとしていた。
恭平も息を荒らげながら、繋いでいた手を離す。そして、ははは、と軽い笑い声を上げた。
「政財界の大物のメンツが集まる前で、こんなことしでかしたら……お前はもう、どこにも嫁にいけねぇなぁ!」
「だ……誰のせいだと……思ってるんですか……」
前屈みになりながら、雛子は恭平を睨みつける。帯のせいで大きく息を吸えず、小さな呼吸を繰り返す雛子に、恭平は「俺のせいだろ?」と笑う。
「だから、俺が責任を取ってやるよ」
「……責任?」
頭に酸素が回らないせいか、その意味がいまいち分からない。だけど、判断はついていた。彼は今、重要なことを言っている、と。
「誰も嫁に貰ってくれないなら、貸金屋の嫁にでもなるか?」
切れる息の合間から、恭平が言う。
……そ、それって……もしかして……。
雛子は息苦しさも忘れ、街灯に照らされた彼の顔を見上げた。