やくたたずの恋
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青空の下、穏やかな太陽の光が降り注ぎ、若々しい草花を輝かせる。その中に咲く、可憐な白百合。そんなウェディングドレス姿の雛子と、タキシードを来た恭平が、マイクの前に立つ敦也を見ていた。
「……という訳でございまして、私は新郎の恭平くんに、新婦の雛子さんを奪われてしまいまして、私はまだ独身なのです」
自虐ネタをふんだんに混ぜ込んだ、敦也の友人代表としてのスピーチは、大いに会場を沸かせていた。
大学時代の友人たちの中に交じった志帆も堪えきれず笑い、彼女に寄り添う車椅子の星野も笑っている。これまでとは違う、自然な仲の良さを見せる二人の姿を、雛子は微笑ましげに見つめていた。
結婚式は、ぜひガーデンパーティ形式で。そう言い出したのは、恭平の父である影山社長だった。いろいろあって、やっとのことで漕ぎ着けた結婚なのだから、美しい季節に、美しい緑の中で、皆の祝福を受けるべきだ、と。
チビデブハゲのビジュアルからは想像もつかないロマンティックな提案に、雛子も恭平も面食らったものだった。だが、こうして実現してみれば、その判断は間違いではなかったことに気づく。優しく明るい日差しの下では、ゲストたちが皆、それぞれ自分なりの色で輝いて見えるのだ。