やくたたずの恋
「そう言えば……聞いたか?」
敦也のスピーチが終わり、拍手が鳴り響く中、恭平が雛子へと呟く。
「志帆、妊娠したらしいぜ」
「……え? そ、それって……星野さんのお子さんですか? ですよね? ね?」
「当たり前だろ!」
そりゃそうだ。雛子は肩を竦めつつ、志帆へと目を向ける。ゆったりとしたライトブルーのドレスを来た志帆は、雛子の視線に気づき、笑顔になる。
暗さや悲しみのない柔らかな表情は、本当に美しいものだった。これならば、星野が恭平から彼女を奪いたかった気持ちも、恭平がずっと彼女を想い続けていたことも理解できる。
雛子が一人納得して頷いていると、恭平が「なぁ、どうする?」と問い掛けてきた。
「この際だから、俺たちも頑張るか?」
「何がです?」
「子供だよ、子供! 俺たちも今夜にでも頑張って作れば、志帆たちの子供と同い歳になるぜ?」
新郎らしからぬあくどい表情を浮かべ、恭平はオヤジ臭く笑う。雛子はウェディングドレスを染めそうなほどに顔を赤らめ、シャンパングラスを持った手に力を込めた。
「なっ……何でこんな時に、そんなこと言うんですか!」
「お前がそうやって顔を赤くするのが、面白いからに決まってんだろ」
……悪趣味だ。『影山興業』の、本社ビルのデザイン以上に悪趣味だ。
敦也のスピーチが終わり、拍手が鳴り響く中、恭平が雛子へと呟く。
「志帆、妊娠したらしいぜ」
「……え? そ、それって……星野さんのお子さんですか? ですよね? ね?」
「当たり前だろ!」
そりゃそうだ。雛子は肩を竦めつつ、志帆へと目を向ける。ゆったりとしたライトブルーのドレスを来た志帆は、雛子の視線に気づき、笑顔になる。
暗さや悲しみのない柔らかな表情は、本当に美しいものだった。これならば、星野が恭平から彼女を奪いたかった気持ちも、恭平がずっと彼女を想い続けていたことも理解できる。
雛子が一人納得して頷いていると、恭平が「なぁ、どうする?」と問い掛けてきた。
「この際だから、俺たちも頑張るか?」
「何がです?」
「子供だよ、子供! 俺たちも今夜にでも頑張って作れば、志帆たちの子供と同い歳になるぜ?」
新郎らしからぬあくどい表情を浮かべ、恭平はオヤジ臭く笑う。雛子はウェディングドレスを染めそうなほどに顔を赤らめ、シャンパングラスを持った手に力を込めた。
「なっ……何でこんな時に、そんなこと言うんですか!」
「お前がそうやって顔を赤くするのが、面白いからに決まってんだろ」
……悪趣味だ。『影山興業』の、本社ビルのデザイン以上に悪趣味だ。