やくたたずの恋
 ドアの前に着き、ポケットから鍵を出す恭平は、「いいねぇ。お嬢様ってのは!」と歌うように声を上げる。
「悠々自適な家事手伝い暮らし! まさにお嬢ちゃんだなぁ!」
 ロックを解除し、ドアを開ける。先に悦子を部屋へと入れると、ドアを体で押さえながら、「なぁ、ヒヨコちゃん」と雛子を見た。
「悪いけど、俺はそんな世間知らずのお嬢ちゃんと、結婚する気はないぜ」
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