やくたたずの恋
「とりあえず、豊胸手術でもするか? いい病院、紹介するぜ?」
 ふざけないで!
 しんみりした気持ちは、恭平の一言で一気に吹っ飛んでしまう。その代わりに、尖った苛立ちの感情が、雛子の体を埋めつつあった。
 腹立つ! 何なのよ、この男!
 本当だったら、こんな男となんか結婚したくないのに!
 ……じゃあ、結婚しなきゃいいのよね? どうせお父様の命令で、そうしようとしてるだけなんだから。
 一瞬、そんな考えが頭に浮かぶ。だが雛子は、それを消し去ろうと頭を振った。
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