世界一幸せな国Ⅰ



ユ(了解っ)



ユアンの返事が届いてすぐ、私たちは顔を上げた。


そして、背後にいる男らと距離をとる。



男A「はっ!?」


男B「なに!?」


男C「!!」





男は三人三様の驚き方をした。



そして、男Aが面白そうに笑った。




男A「なんだ、この家にもそういう子がいたんだ」



「どういうことですか」



男A「だって、ヘボばっかりじゃつまらないじゃないですか!」



男は楽しそうにケタケタと笑い続け、言う。



「……ヘボばっかりとは?」



男A「それはな……」





なんだろう。


何か嫌な予感がする。


何か今をがらりと変えてしまいそうな、そんな予感が。



そう、まるで……




藍乃と彼方の最期のような……





お願いだ、何も起きないでくれ。



もう、大切な人を失いたくない。


もう、大切な人を悲しませたくない。





お願いだ……

< 108 / 256 >

この作品をシェア

pagetop