世界一幸せな国Ⅰ
ユ(了解っ)
ユアンの返事が届いてすぐ、私たちは顔を上げた。
そして、背後にいる男らと距離をとる。
男A「はっ!?」
男B「なに!?」
男C「!!」
男は三人三様の驚き方をした。
そして、男Aが面白そうに笑った。
男A「なんだ、この家にもそういう子がいたんだ」
「どういうことですか」
男A「だって、ヘボばっかりじゃつまらないじゃないですか!」
男は楽しそうにケタケタと笑い続け、言う。
「……ヘボばっかりとは?」
男A「それはな……」
なんだろう。
何か嫌な予感がする。
何か今をがらりと変えてしまいそうな、そんな予感が。
そう、まるで……
藍乃と彼方の最期のような……
お願いだ、何も起きないでくれ。
もう、大切な人を失いたくない。
もう、大切な人を悲しませたくない。
お願いだ……