世界一幸せな国Ⅰ


そう言ったころには、時既に遅し。



「……いって」




弾は私の肩を掠めていった。



よかった、掠めるだけで。



片手が使えなくなるぐらい、なんてことない。



ユ「大丈夫?!」



ユアンが手を止めて、不安そうにこちらを見た。




男「チャーンスターイム♪」



「ばかっ……ユアン!」





──パァン





ユ「あーあ。いってぇなぁ。俺も掠めちゃったじゃん」



ユアンが大丈夫であることを確認した私は、何事もなかったかのように男を殴った。



「っ!」




と、突如腕に走る痺れと激痛。



弾丸に毒?



魔法じゃそんなのもアリなのかよ。



(ユアン。早めに片付ける。多分もうすぐお前の体にも毒が回り始めるだろう)



ユ(お前の体にもって……!まさか、ローナ……!!)




(ああ、だから、すぐにカタをつけるぞ)
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