世界一幸せな国Ⅰ
とても長い沈黙が流れた。
空気がすごく重たい。
そんな中、1番最初に声を発したのはお父様だった。
ア「ローナ、ユアン……とりあえず顔を上げなさい。
あのなぁ、住まわせてくださいって……当たり前じゃないか、何を言っているんだ?
お前たちは家族だろう。
お前たちの家はここだろう。
それを追い出す者がどこにいるんだ。
お前たちの帰る場所、寝る場所はここだ。
よく、話してくれたな」
お父様は、私たちを諭すように、一言一言を丁寧に、ゆっくりと話した。
頭を撫でられ、抱きしめられた時には、涙が止まらなかった。
「……うぇっぐ……お父様ぁぁっぐすっありがとうっ……本当にっ……みんなが大好き……」
ユ「お父様っ!ありがとうっ……こ、怖かったぁ……不安だったぁ……」
私たちが泣き止むまで、家族はそっとしておいてくれた。
悠馬、神、本当にありがとう。
私たちに、幸せをくれて。
この家に生まれてよかったと、心から思う。