世界一幸せな国Ⅰ
「……あ、ありがとうございます……!よろしく、お願いします……!!」
魔「さぁ、こちらへおいで。村の住民を紹介するよ」
あれ?案外いい奴らなのかもしれない。
そう感じるほどに自然であった。
こちらが罪悪感を感じてしまうほどに。
彼らは本当に人を殺すのだろうか。
……しかし、問題は唐突に起こるものだ。
──ガシャァン
魔族に案内されながら歩いていると、村の門と思しきものが閉ざされた。
「……えっ」
魔「あぁ、気にしないで。ただの防犯だから」
嘘だ。
さっきまで開いたままだった門が、なぜ突然防犯で閉じるというのだ。
こんな嘘がさらっと出てくるなんて……。
魔「さぁ、着いたよ。ここがうちだ」
考え事をしている間に、着いてしまった。