世界一幸せな国Ⅰ
それを知る必要があるときは、知ろうとするし、必要がないときは放っておく。



ここは、そういうところだから。



これも、世界や国が変わってもなにも変わらない。





私達は、前世の思い出話をしながら家の近くまで帰った。


時間は、5時ごろ。



着替えたトイレに戻りローナの姿に戻ると、その場で分身に今から帰ることを伝えた。


私たちは瞬間移動で部屋に戻った。




5時半になると夜番の使用人以外も活動を始めるので、庭で変わることは危険だと判断した。




シールドを張って、分身とサヨナラをする。




「ローナ、今日1日、本当にありがとう」



私は、もう一人の私に言った。




『やりたいことはできたの?』



「うん、あなたのおかげだよ」




もう一人の私は、すごく優しい。



『えへへ、それなら良かった。それじゃあバイバイ』



寂しかった。


自我を持つ分身を消すのは、心が痛む。




「バイバイ、本当にありがとう」



いつか、この子たちの記憶を残す方法を考えよう。



やりたいことが、また一つ増えた。





寝巻きに着替えてベットに潜ると、すぅっと体が吸い込まれるように重くなった。



昨日は色々あったけど、楽しかったな。




そう思いながら、眠りに落ちた。


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