好きのおもさ
「人を嫌ったことある?
その人の姿も見たくないくらい」
「だからさっきのことは気にしなくていいって言ってんだろ!」
「さっきのことじゃなくて、一般的な概念を訊いてるの」
屋上で話したことを関連して、この質問を答えないで欲しいものだ.
「そもそも俺は、嫌いな人なんかいないぞ」
この学校の人は大体そんなものだろうな.
みんなフレンドリーで優しさを見せている.
嫌いな人なんて作らず、みんな仲良くって感じ.
でもそれは、もう終わりだ。
「じゃあ人を嫌いになるのが、どれくらい屈辱的か知らないってことだよね。
だったら私からあんたを嫌いにならせる」
ベンチに座っている宇川くんに対し、私はベンチから一歩前に立ち話している。
「何考えてんだ?
おまえ、さっきのこと気にしすぎだろ.
それにそもそもおまえのことは…」
「気にしすぎじゃない!
日が経てば私と同じクラスの人みんなが、強制的に私のことに関わらなくなる!
そしてみんな、私を嫌いになる。
そしたらまた前みたいなことをされるようになるんだ
最初は卑劣なことをする人に目を向けてなかった人たちも、いずれかは卑劣なことをする人たちの空気に呑まれ、同じことをすることになる」