好きのおもさ
でも隠している手を外さない。
「今したことから逃げる気か?
少々やり過ぎじゃねぇの?」
と言う宇川君は私の右目を覆っている手を下ろそうと、冷たい手で引っ張った。
私の涙を見ると、彼は言った。
「何でお前が泣いてんだよ」
力を落としながら言われた.
「どうして構うの?
宇川君は何もしてないのに、荷物と体操服、靴と靴下を濡らされたんだよ?
それなのに何で?」
宇川君の顔を見て訊いた.
「べつに…そういうのはあんまり気にならない。
どうせ今、そんなに寒くないし.
それより立山の神経が心配。
お前、大丈夫?」
この人、変だ. 絶対変だ。
「私、帰る!」
カバンを持ち、急いで宇川君から離れようとした。
「待てよ!
俺、こんなに濡れてんだけど?
手だって冷たいし、足だって…