好きのおもさ

今まで真剣に話していたのに、宇川くんは急に上機嫌になりこう言った.


この人に関わっていたら、また自分が傷つきそうになる.


さっさと帰ることにした.


この時彼は追いかけてこなかった.



『お姉ちゃん!!』


『ありがとう、お姉ちゃん』



「あーあ!!」


家の前でふと思い出した、嫌な事件.


その被害者の声.


あの事件が起きずに何もなく平凡としていたら、あの子は今どう生活しているのだろうか.


平和に暮らせて行けてるんだろうか.


ドアの前で考えてしまう.



こんな事、もう二度と考えたくも向き合いたくもないのに!!

< 20 / 471 >

この作品をシェア

pagetop