好きのおもさ
気が狂っている白川さんに私はどうもできない。
「なか…昴くんは、今、フィナーレのダンスを踊ってる…」
力なく答えた私。
起き上がっていた白川さんは、頭を枕に打ち突けるように横になった。
「あたしも昴と踊りたかった」
「うん...」
なんて答えたらいいのかわからない。
「こうなってしまった以上、ダンスを諦めるしかない。
だけど…ダンスができなかったから…せめて昴が横にいて欲しかった。
何であんたなの?」
ようやく白川さんの意図がわかった。
それでもどうすればいいのかわからない。
「もう少しで昴くん、来ると思うよ。
それに… さ、ゆりちゃん…、先生が言ってたけど、安静にした方がいいって」
この言葉に白川さんは怒気を強めた。
「なに?!
あたしがうるさいって言いたいの?
もういいよ!!
あんた、出て行って!!」