好きのおもさ
保健室にいる彼女は、いつもより興奮している。
私はそんな彼女をどうすることもできず、ただただ彼女の言葉を素直に受け入れていた。
それはとても鋭く、私の心に突き刺さる。
だけどそんな素振りを、彼女の前でしたくない。
これ以上言われて、私はこの先果たして我慢出来るのか。
ちょっと自信が無い。
「出て行ってよ!!」
「ごめん… それはできない。
体育大会終わるまで、さゆりちゃんとここにいなきゃ。
終わったらみんなで教室に戻れるから」
保険医に詳しいことを聞いてないが、多分終わったら戻っていいだろう。
そう思って言ったこと。
だけど白川さんは、私のことを睨みつける。
彼女の視線を感じながらも、私は俯いていた。
「はぁ」
わざとらしく吐く彼女のため息は、保健室、私の心に響いた。
「小百合!!」
しばらくすると、男の声が聞こえた。
「大丈夫か、小百合」
保健室に慌てながら来たのは、中島くんだった。