好きのおもさ
『名前は?』
図書館の前の少し広い所に荷物を置くと、私は少年に名前を訊いた.
『ぼくの名前は、野山友広.
1年生だよ!』
『私は・・・』
「はぁ! あぁぁ・・・」
夢だった.
今のは昔に起きた夢だった.
忘れようとした過去を思い出させようとした夢.
こんな事はやめてほしいものだ.
私が10歳の時に起きた出来事・・・
忘れたい思い出.
夢を見たことを忘れようと、私はいつもよりてきぱきと学校の準備をした.