好きのおもさ
河辺さんの登場に、私は体を動かす。
自分のロッカーを開け、私服に着替える。
「もう晩ご飯の時間だ!!
どうりでお腹が空くはずだね。
加奈ちゃん、このあとどこか食べに行かない?」
「えっ!!?」
思わぬお誘いに私は激しく動揺してしまった。
「あ、ごめん。
疲れてるんだったね」
河辺さんは気を落としている。
ここで私はこのままさようならって挨拶して、帰っていいのだろうか。
自分を変えて行きたいって、どこか心の中で思っているはず。
だからここは、断ったらダメ。
最初は上手くいかないと思う。
なんだってそうなんだ。
今は無理だけど、どんどんなれていかなきゃ。
仕事について慣れようとするのは、大変なことなんだから。
「行こう!! ご飯食べに。
だけど…私、家族以外で外でご飯食べるの…初めてに近いから、つまらないかもしれないけど…」