好きのおもさ
「そんなこと気にしなくて大丈夫!!
あたし、急いで準備するから行こう!!」
河辺さんの気分が上がったのがわかる。
同時に私の心の中が、少し晴れていってる気がした。
「「お疲れ様でした」」
河辺さんと声を合わせて、店を出た。
「待って!!
俺も一緒に帰るよ」
少し歩き始めると、慌てて私たちに追いつこうと声がする。
「敦史君じゃない。
今日バイトに入ってたんだ。ごめん、気付かなかった」
河辺さんは、佐川君の方を向いて返事をする。
「それひどくね?
俺一生懸命厨房で料理作ってたのに…」
しょげている佐川君に、私は止めを刺す。
「私なんて厨房で食器洗いしてたけど、佐川君の存在に気付かなかったよ」
佐川君の表情は、何も言わなくてもなにを言おうとするかわかった。
今にでも「ガーン」と言いそうな感じ。
それにくすくすと笑う河辺さん。
こういう関わりを、私は大事にしないといけないんだ。