好きのおもさ
「じゃあね、またバイトで!!」
河辺さんの一声で私たちも挨拶をした。
別々になる道のりに、私はただ歩いて帰ろうとした。
河辺さんは自転車を走らせた。
「なぁ、加奈ちゃん。
ちょっと一緒に歩いていい?」
改まって私に質問する佐川君。
「いいよ」
そして私は何も考えずに返事をする。
二人並んで歩く帰路。
私は相手が話してくるのを待ちながら歩いていた。
「れおとってさー」
「うん」
口を開いたと思えば、宇川くんのことだった。
仕方ないか、2人の共通点といえば宇川くんのことくらいしか無いんだから。
「好きな女には尽くすタイプなんだよ。
たとえその人に嫌がられたとしても。
バカみたいにそこは頑張ろうとするんだよ」
「…どうしたの、いきなり」
何で宇川くんのそんな一面を説明してくれたのか、わかんなかった。