好きのおもさ
でもこんなことだけじゃないと思う。
宇川くんが私に聞きたいことは。
前から私の過去を知りたがっていた。
最近は深入りしてこないし。
遠慮するようになってきたし。
本当、宇川くんの考えることはよくわかんないや。
食器たちを片付け、私は宇川くんのいる居間に行った。
そして座り込んだ。
シーンとした空気が強調される。
なにか話さないといけない。
宇川くんを見てみると、ただぼーとどこかを見ていた。
「あ、そうだ。 これ返さないとな」
とカバンをゴソゴソと探し出した。
そして静かに私の目の前に置かれたもの。
ずいぶん前に教室で取られた、本だった。
「悪いな。 強引に奪ったりして」
一応罪悪感はあったんだ。