好きのおもさ
ついつい声を大きくしてしまう。
「はぁ、わかんねぇ。
どうしてだよ。どうしてそこまであの二人を良いように捉えるんだよ?」
その答えは、私の過去に関係していることも知らずに、彼は聞いてくる。
それをなんとなく言って、私は彼を帰らせることにした。
だんだんと自分の中で限界が近づいてるからな。
「その答えは、私が言いたくない過去に大きく関係してるんだ。
分かってよ。
人の気持ちを理解することなんて、簡単なことなんでしょ?」
と、相手の心を少し痛ませる発言をして、私は立ち上がる。
急に立つ私を見て、少々驚く宇川君。
「ごめん…今日のところは、帰って」
相手の右手を掴んで、無理矢理立たせようとする。
「俺、ダメだよな…
さっき大見得を切ってお前に、人の気持ちなんて簡単に分かるって言ったのに、
目の前にいるやつの気持ちがわかんねぇんだから」
さっきまで堂々としていた彼が、今は萎縮している。
立ち上がった彼の姿が無力だと伝わってくる。
私は何も言わずに、掴んでいる宇川くんの手を引っ張って玄関まで連れて行った。