好きのおもさ
私はそう言って新上さんの次なる言葉も待たず、自分の席に近づいた。
そして帰りの準備が出来ていたカバンを持ち、教室を出ていった。
「加奈ちゃん待って!!」
後ろから私を呼ぶ声。
私は振り向かず、足を進める。
「加奈ちゃんがいないと、マジックが成功できない!!」
新山さんが私に言う。
朝壬さんも困った感じで私を見ている。
「もうマジックはしなくていい。
せっかくみんなで取り組もうとしたことを、最初に逆戻りさせるのは悪いと思うけど…
そうじゃないとみんなが協力してくれないよ…」
「だからって加奈ちゃんが降りることないよ!」
朝壬さんの言葉が胸を突く。
一度決めたことだと思い、私は変えようとする気もなく昇降口を出ていった。
学校を出て私はトボトボ歩いている。
少しだけ体に凍みる寒さ。
それも気にせず少し首を縮め、歩いて行った。
この前宇川君といる時に見た川とは違う川へ行く。
橋から濁っている川を見つめる。
どこまでも果てしない感じを見る。