好きのおもさ
宇川くんは三希の身長に合わせて屈む。
こういう優しさ、私は嫌いじゃないんだとこの人から教わったんだ。
「おねえちゃんとね、川見てたんだ!!!」
「川?何でそんなの見てんだよ」
なんて小馬鹿にしながら、笑っている宇川くん。
私はそんな仕草も無視して、ただ川を見ていた。
「で?何しに来たの?
カバンも持ってるってことは、あんたもばっくれたってこと?」
急にテンションを落としながら聞く私に、少し驚いている宇川くん。
それもそうだろう。
「おまえを連れ戻しに来たんだ。
でもまぁ今日は何言ってもクラスに戻らねぇだろうと思って、荷物持ってきたんだけどな」
要するに無駄足を運びに来たってことね。
だけど彼は、少しの確率に懸けてる。
最初は本気で楽しもうとした自分が、今は投げやりになってるのを変えようとして。
「なになに?何のはなし?」
何も知らない三希が聞いてくる。
私は素直に答える気はない。
「ちょっと学校であってね…」
三希に言ってもわからないと思う表現で彼女に返した。