好きのおもさ
宇川くんの声の中には、有り得ないという感情が入っていた。
「誰かが私を狙ってる…」
何で…外にいる時まで、嫌な思いをしないといけない。
私は少しでも安心を求めちゃいけないの?
「私、帰る」
柵から手を離そうとした。
「まだ帰っちゃダメ」
小さな手が私の帰宅を許さない。
「ごめんね、私、帰りたいんだ」
ようやく三希に作り笑いを見せた私。
だけど三希は納得してくれない。
「いつ会えるかわかんないよ。
だからまだ行っちゃダメ」
まっすぐ見つめてくる三希の視線に敗北感が生まれた。
宇川くんも、三希がこう言ってるんだし、と言って私の帰宅を止めた。
三人で橋の柵にもたれかかって、何やってんだろう。
心の中でつい笑いたくなる。
自分から始めたことなのに。
でも私はそのまま2人と同じように遠くを見た。
「早く全てが終わって欲しいーーー」