好きのおもさ
「わりぃ。後一歩の所だったのによ。
捕まえられなかった…」
残念そうに言う宇川くん。
所詮ここまでだと、心の中で思っている自分が居る。
「期待してないから大丈夫。
捕まえられないことは、ある程度予測ついてたから」
淡々と言う私に不思議がる彼。
ふと彼の足が止まる。
私はそれを無視して歩き続ける。
「じゃあ何で俺を追いかけさせたんだよ?
あんな切羽詰って俺に指図したくせに、無意味なことをさせたんだよ?」
背中越しで三希が振り返ってるのが分かる。
そして彼の声色や様子が変化しているのも、気づくことができる。
「念のためだよ。
知っておきたかったんだ。どうして何もしてない三希が被害に遭わないといけないかを。
でもそれは予想できてる。
当初の目的は私を落とすこと。
だけどそれは失敗し、何事もなく過ぎた。
だから敢えて落としやすい三希を落としたんだ」
私の言葉に徐々に動き出す彼。
そして呟くように言った。
「だから犯人は…一度危険を冒してまで俺に顔を見せようとしたのか…」