好きのおもさ
ここで気を抜いてやる気のない態度をとっていたら、朝壬さんや応援してくれる人にも、迷惑がかかるよね.
仕方ない.
少しは力を入れよう.
《ネットにかかりそう!!
ここはあたしに任せて!!》
《加奈ちゃん、お願い!!》
《ナイッショット!!》
朝壬さんがものすごく声をかけ、私をアシストしてくれた.
「1組、決勝進出です!!」
お陰で、私達は決勝に出場することになった.
「わ~!! おめでとう!!」
「京子、本当にスゴかったよ!!」
「そうそう! ものすごく声も出してたし!!」
「加奈ちゃんもだよ!! さっきよりいい動きしてたよ!!」
ベンチに戻ると、私達に声をかけてくれる外野.
「ありがとう! 決勝も頑張るね!!」
「次々!!
智美とヒロの試合、応援しよう!」
1人の声かけでみんながもう1つのコートに目を向けた.
私が向けた所はもちろん、床だ.
早く右手に持っているラケットを片づけたい.
こんな気持ちを何度持ったか.