好きのおもさ
私は泣きそうな目で、それを逸らすことができなかった。
「でも聞いて欲しい!!
私の過去… 何でかわからないけど、宇川くんに聞いてもらいたい」
話す必要性なんて無いのに。
どうして宇川くんなんかに話したいって思うんだろう。
心の中でも不思議に思う。
「私、友広くんをデパートに残したら、全てのことから逃げた。
デパートには燃え上がる炎が、静かな夜を騒がせて。
消防隊は消火活動に必死になってて。
そんな中警官もデパートにいた人に事情聴取してたから、忙しくして。
私はガスを少し吸ってたけど、誰とも関わりたくなかったから、警察に話しかけられても走って逃げた。
野次馬の中を駆け抜けるのがやっとで。
どこかわからない所につくと、私は座り込んで大泣きしたんだ。
一つの命を見捨てたこと。
あの時自分が何をしたか、小学生の自分でもわかってた。
そして気が付くと、私の意識は無くなってんだ」
長々と話しているのに、宇川くんは必死に聞き入ってくれている。
「立山…もう話さなくていい。
お前、辛いんだろ?
今でも涙を流すの、堪えてんだろ」