好きのおもさ
「じゃあ明日は、思いっきり楽しんでね!!
文化祭の準備はこれで終わり。
みんな、ここまでついてきてくれてありがとう!!
解散してください!!」
文化祭の準備に携わったみんなは、新上さんの言葉で顔がキラキラと輝いている。
達成感を味わいながら、教室へ戻って行っている。
何もしてない自分は、何も感じられない。
みんなと同じ思いを味わえなくて、寂しい。
これが私の選んだ道なんだと、言い聞かせられない。
「加奈ちゃん、ごめんね。
加奈ちゃんもみんなの中に入れられなくて。
だから明日、心の底から楽しめないかもしれないけど…。
舞台の袖で、クラスのみんなを見守っててくれないかな?」
クラスをまとめ終わった新上さんが、私のもとに来て言ってくれる。
私は無理に作り笑いすることしかできない。
「ありがとう…」
たったこの一言しか言えなかった。
新上さんは私の元から離れる。
残された私はトボトボと教室に戻っていく。
渡り廊下を歩いていると、後ろから走ってくる足音が聞こえる。