好きのおもさ
「たった15分付き合うくらい、いいじゃないか!!
どうせ勉強するって言っても、今から明日の学校行く時間まで勉強するわけねぇだろ!!
少しくらいいいじゃねぇか!」
逆ギレし出す宇川くん.
面倒なことになりそうだ.
仕方なく付き合うことにしよう.
「・・・その代わり、少しだけだよ」
「お! いいんだな?」
「・・・仕方なくね」
とは言ったものの、実際何をするのかよくわかんない.
こんなこといつかはしなくちゃいけなくなるってことは、わかってたけど.
・・・とうとうこんな日が来ちゃったんだ.
「行くぞ」
返事をしないで私はついて行く.
カバンの中の教科書は、少なくて軽い.
テスト期間だから、家に置いてあって正解だった.
そんなことを考えていた.
「俺さ・・・
この前木の影でおまえに言ったこと、本当だから」
この前言ったこと・・・
『俺がおまえに人生の楽しさを教えてやる』
べつに楽しさなんて教えてもらわなくてもいいのに.