好きのおもさ
くだらない理由をつけて、今までずっと謝らなかった私。
「加奈ちゃん、もういいよ」
お姉さんもさっきまで苦しかったというのに、私を宥めてくれる。
やっぱり大人って違うな、って誇りに思う時だった。
「見て、これ」
私が落ち着くと、お姉さんは袖のボタンを外した。
少しだけ袖を捲り、手首が現れる。
そこには…無数の傷跡が残されていた。
「もしかして…?」
悪い予感しかしない。
「私、学校が嫌で嫌で毎日こっそり自分を傷つけようと、リストカットしてた」
思わぬカミングアウトに、言葉が出ない。
「そこまでして自分の命を捨てようとしてた。
でも家族と暮らしてるわけだから。
いつも誰かと顔を合わせないといけなかった。
無邪気な友の言動が、何よりもうざくて。
ずっといなくなっちゃえばいいって思ってた」
お姉さんの話に、静かになる場。
私自身、容易に言葉を口に出さない方がいいと思ってる。
「でもある日、自分が死んだ方が周りに迷惑はそんなにかからないと思って。