好きのおもさ
私が過去を話そうとした矢先、不安な発言をする彼である。
それでも私は話すことにした。
「私と友広くんがデパートにいた事は知ってたよね?
それでしばらく屋上で時間を潰してた時のことも。
屋上で友広くんが楽しく遊んでた時だったんだけど。
誰かが 下から火が燃え上がってる!!
早く逃げなきゃ!!
って言ってたから、私は友広くんを連れてみんなと一緒に逃げることにしたんだ。
火元の下の階に行くと、みんなでエレベーターに乗って。
一気に下まで行こうとした。
意外と火の勢いは強くて。
みんな逃げるのに必死だった。
でも6階くらいの時。
赤ちゃんを抱っこしたお母さんがエレベーターに乗ろうとした。
だけどエレベーター内は、人が多くてその人が乗ろうとしたらブザーが鳴って。
そのお母さんは すいません、次のエレベーターに乗ります
って申し訳なさそうに言った。
その時だった。
『僕が降ります!!』
誰もが無視してた状況で、あの子だけ…友広君だけが譲ってあげたんだ。
もちろん一緒にいる私も降りることになった。
いいんですか?と聞く母親に、自信たっぷりに 僕たちは階段で降りていきますので
そう言ってエレベーターのドアが閉まるのを、2人で見届けた。