【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー
「ちょ………澪ちゃ、まっ!」
私の脇腹を澪ちゃんの繊細な指先がまさぐるのを制止しようとしたその時。
「澪ぉぉ!そろそろみー覚ませぃ!」
大声と共に、密着していた澪ちゃんの体が真横にぶっ飛んだ。
「悠莉!大丈夫か!?」
「ま、まさっ………雅治!」
大声を出して澪ちゃんを飛び蹴りでぶっ飛ばしたのは雅治。
それが分かった途端ホッとして力の抜けた私を、雅治は支えるように抱き抱える。
「だから止めたのに……。澪はね、役に取り憑かれてしまうんですよ。毎回、ね。」
ぶっ飛ばされた澪ちゃんの方を起こす手伝いに入っていた永太が、いつもは吊り上がった眉毛を下げて、そんなことを言った。